2018年1月25日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 魅惑の調味料 かんずり 〉


コクのある奥深い辛さと程よい柚子の香りの「かんずり」はお料理の引き立て役です。

「かんずり」は元々新潟県妙高市近辺に伝わる家庭の味で、唐辛子漬けのことをいい、生産工程における大きな特長、それは「雪さらし」と「三年熟成」。
雪積もり、広がる一面の白銀地に真っ赤な地産唐辛子が並ぶ光景は、妙高の風物詩になっています。
その後は糀(こうじ)・柚子などの香料と一緒に塩蔵・熟成。三年という年月を積み重ねて生まれるコクのある奥深い辛さと程よい柚子の香りは、食べる人の食欲をかきたてます。
味、品質共に完成された「かんずり」に使われる唐辛子は妙高市の新井産。
契約農家で種から育てられた唐辛子数種類をブレンドし、かんずり用の唐辛子に。
それを雪にさらしてアク、苦みを抜くことで自然と甘みが増し、味にコクと深みが加わります。
このこだわりの製法「雪さらし」は、ある偶然の出来事がきっかけだったといいます。
商品製造のために軒下に吊るされていた唐辛子。ある日風に吹かれたのか、気付けば雪の上に落ちてしまっていた。
数日後に先代社長が発見、何気に食してみたところ、その唐辛子は確かな甘みを感じ、明らかに違う食味を発見。
そこから「雪さらし」が始まったという。偶然の賜物ですが、自然の恵みなくしては生まれなかった製法。
今では科学的にもその成分変化も立証され、シーズンになれば毎年新聞紙面を飾る冬の風物詩になっています。
積雪の多い妙高地域、そこに舞い降りる絶妙な味わいを持つ地産の特性唐辛子。
自然の恵みをたっぷりと享受することで生まれた魅惑の調味料、それが「かんずり」です。
出典元『新潟直送計画』HPより