2015年5月27日水曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈そらまめ〉


 あまり知られていませんが、
新潟市西蒲区は、県内でも有数の「そらまめ」の産地で、
ほぼ全域で生産されています。
昭和50年中頃から作付けが開始され、
昭和60年頃から栽培が盛んになりました。

 「そらまめ」は秋に種をまき、定植します。寒さに弱いため、
栽培は雪の少ない地域に限られ、
さらに越冬を安定させるために
通気性のよい布のようなフィルムで株を保護します。
消雪後、フィルムが取り除かれた「そらまめ」はぐんぐん大きくなり、
4.5月の好気象と肥沃な土壌で風味豊かな「そらまめ」に育っていきます。
5月下旬から出荷が始まり、6月が出荷の最盛期です。
少し短いのが残念なのですが、
数少ない旬のはっきりしている野菜のひとつと言えます。 

 サヤを聞くと、白い産毛に大切に包まれた愛らしい姿をみせる
「そらまめ」は、北アフリカが原産地で、
蚕がつくる繭の形にも似ていることから「蚕豆」とも、
サヤが天を向くことから「空豆」とも呼ばれています。
(収穫する時はサヤが垂れ下がります。)

 栄養的にも優れており、炭水化物とタンパク質を含む他、
野菜特有のビタミンB1、B2、Cや豊富なミネラルを含んでいます。
そんな栄養価の高い西蒲区の「そらまめ」は
地元の学校給食にも登場します。
コロッケやポタージュに変身し、子供たちにも大変好評だそうです。

 越後の寒い冬を乗り越え、大きなサヤを実らせる「そらまめ」は、
生産者が丹精込めて〈初夏の味〉として届けてくれるのです。

2015年5月14日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 スルメイカ 〉


 世界中で捕れるイカの4割以上は日本人の胃袋におさまっているほど、
日本人はイカが大好きなんです。
国内で漁獲されるイカの半分以上が「スルメイカ」です。
イカの中のイカだから「真いか(まいか)」とも呼ばれます。

 その「スルメイカ」の寿命は約1年とされ、
東シナ海で生まれた個体が春から夏にかけて、
エサを食べながら日本海を北上して各地で漁獲され、
秋から冬には再び東シナ海での産卵に向けて南下をします。
5月から7月にかけて新潟沖、佐渡沖に、初夏に大きな群れが集まり、
近県から「スルメイカ」を狙う漁船の寄港が見られます。

 夜間に非常に明るい電灯をともし群れを集め、
エサに似せた釣り針がたくさんついた仕掛けを海中で
上下させ誘って釣る「いか釣り」で漁獲します。
海に浮かぶいか釣り漁船の明かりは「漁り火(いさりび)」とも呼ばれ、
古くはランプなど実際の火を使っていたそうです。
ちなみにいか釣漁船の漁り火は、人工衛星からの映像でみると、
日本海を、大都市が出現したかのように浮かび上がらせるそうです。

 胴(頭部)の長さは15~30センチで胴の中に細く硬いスジがあり、全体に赤褐色です。
少しこぶりですが、やわらかく、独特の甘みがあるのが特長です。 
いか漁が盛んな佐渡では、加工品の美味しさも格別です。

醤油だれにワタごと漬け込む「いか沖漬け」や、ワタごと天日干しする『丸干しいか』は、弊社飲食店・物販店で販売しています。(一部除く)