2015年12月9日水曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 ル レクチエ 〉

《 コクのある甘みと滑らかな舌触りが他にはない美味しさです 》

 「ル レクチエ」は、新潟県の特産果物で県外にはあまり知られていない高級西洋なしです。
主な産地は新潟県で、中でも新潟市南区(旧白根市)で最も収穫量が多く、近年では生産技術の向上により、収穫量は年々増加しています。
10月下旬頃から11月にかけて収穫され、その後一ヶ月近く追熟された後、市場に出回ります。
「ル レクチエ」はフランスが原産の品種で日本に入ってきたのは意外に古く、明治36年頃とされています。
新潟県白根市(現新潟市南区)の農家 小池左右吉氏がフランスから苗木を取り寄せたのが始めとされています。
しかし導入から長い間、日本では西洋なしの栽培方法がほとんど知られていなかったので栽培は失敗続きでした。
実が落ちやすく、安定した収穫が得られないため、栽培は衰退の一途。
ところが、わずかながら収穫した「ルレクチエ」の実が素晴らしく美味しかったため、農家では自家用として細々と栽培されるに過ぎなかったのですが、いつしか高級料亭のデザートや古町芸者の間で美味しい果物「ロクチ」として目にとまり密かなブームとなりました。
こうして再び注目を集め、産地をあげて本格的な栽培に取り組むことになりました。
呼び名もロクチー、ルルクチー、ルレクチーと人によって様々でしたが昭和58年に「ル レクチエ」に統一。
それから約20年を経て農家と県・関係機関の協力のもと試行錯誤を繰り返しながら安定栽培を作り上げました。
食べ頃は11月下旬から12月までと短いので是非お試しを!

蛍庵で、ルレクチェ蜜煮として提供しています。

2015年11月2日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 村松の栗 〉

びっくりするほど大粒で色、つやが
あり高品質な「村松の栗」


 新潟は栗の産地としては大きくありませんが、新潟の栗といえば
「村松の栗」といわれるほど有名で高い評価を受けています。
五泉市の村松地域は、村松白山と新津丘陵に囲まれた自然豊かな地域です。
栗栽培の歴史も古く、名産地となっていて品質、量ともに県内随一。
今ではおよそ70戸が集まった村松栗組合が栽培を行っています。

 村松地域の栗栽培は大正末期から始まりました。
岡田大吉氏が丹波栗の本場である兵庫県から苗木約100本を購入して
植えつけたのが始まりと言われています。
村松栗組合では、量よりも徹底して品質と美味しさにこだわっており、
県内でいち早く低樹高栽培を取り入れました。
整枝せん定を行い、光と風通しを良くした樹づくりをしています。
大玉(2L以上)で「売れる栗・買って貰える栗・食べて貰える栗」を方針に、
びっくりするほど大粒で色、つやがあり高品質な栗づくりをしています。

 早生品種の収穫は9月から。
特に味が美味しいとされる中生・晩生品種は10月ごろから収穫されます。
主力となっているのは晩生品種の「石鎚(いしづち)」です。
収穫した栗は低温庫で貯蔵し、さらに甘みが増した栗を出荷しています。
0℃前後で1ヶ月ほど保存すると、でんぷん質が糖分に変化し
甘みが倍増するわけです。
この貯蔵栗の出荷は11月以降です。

 近年では新しい品種「ぽろたん」の栽培にも取組んでおり年に1回、
栗の出来栄えを競う審査会が開かれ技術レベルの向上に努めています。

2015年10月1日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 新潟の秋の楽しみ 〉




 菊を食べる食文化は新潟と東北、北陸地方の一部に限られていて、
食用が始まったのは江戸時代からと言われています。
新潟では、おひたしや酢のものとして食され、秋に欠かせない食材です。

《かきのもと》
 新潟では古くから農家の庭先や畑の片隅で、
紫色の食用菊「かきのもと」が栽培されてきました。
昭和45年頃になると、水田の転作作物として栽培されるようになり、
より花が大きく色鮮やかな紫色へと品種改良されました。
主な産地は、新潟市、燕市などで出荷の約8割を新潟市南区(旧白根市)が
占めていています。
10月上旬から霜の降りる11月下旬頃まで出荷され、その味わいは、
ほろ苦さとシャキシャキとした歯ごたえの良さが特長です。

《おもいのほか》
 長岡野菜のひとつで薄紫色の花びらの美しい食用菊です。
甘みが強くてシャキシャキ感が抜群です。
長岡市を中心とする中越地域では古くから栽培されてきました。
しばらくの期間は絶えていましたが、
新潟県園芸研究センターに保存されていた
種から苗を育て、平成14年に里帰りが実現しました。

《仙人菊》
 柏崎市伝統野菜のひとつ。
南鯖石地域の西之入地区で昔から栽培されてきた
白色の花弁をもつ食用菊です。
仙人のひげのように白く細やかな花弁をたくさんつけることから
「仙人菊」と名付けられ、香りが強く、シャキシャキとした歯ごたえで
甘みがあります。
近年では少量しか栽培されていません。

2015年8月31日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 いちじく 〉

甘く上品な香りの他、熟した実を半分に割った時の美しい色も楽しみのひとつ。


秋に実りの時期を迎える「無花果(いちじく)」。
この季節を楽しみに待っている方も多いのではないでしょうか。

 いちじくは紀元前2000年にすでにエジプトで栽培されていたといわれ、
日本へは寛永年間(1624〜44年)にポルトガルにより
蓬莱柿(ほうらいし)の名で伝えられ、今日の在来種に。
新潟県では明治の初期に新発田市で栽培が始まったといわれています。
主な産地として新発田市、新潟市巻地区、上越市大潟地区などです。

 主な品種は「桝井(ますい)ドーフィン」「蓬莱柿」があります。
一枝から10個前後収穫できますが、下段の果実から成熟します。
成熟期近くになると紫褐色に着色すると同時に、
さらに肥大して果実が下垂してきます。
果実のお尻の部分が割れる直前が収穫適期です。
早いものでは8月下旬から出回りますが、
9月上旬から新発田市、新潟市西蒲区、南区を中心に本格的に出荷され、
11月上旬まで続きます。 

 優しい独特の風味とプチプチとした食感が特徴的ないちじくですが、
健康志向のなか、豊富な繊維、カルシウム等で
注目を浴びるようになってきました。
血圧低下、健胃、便秘、肝臓病などに良いとも言われる健康食品です。
また、「花が無いのに実が実る」ということから漢字で
「無花果」と書きますが、花が無いのではなく
実の中にあるプチプチした部分が花にあたります。
そのまま食べるのはもちろん、甘露煮やジャムなど
ひと手間加えてると長く楽しめますね。

2015年8月3日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 食材の宝庫 佐渡 〉


佐渡は、面積が約855k㎡と東京23区の約1,5倍あり、
離島としては日本一大きな島です。
佐渡は、ほぼ中央に暖地・寒地の植物の境界線とされる
北緯38度線が通っています。
また、対馬海流と卓越風の影響もあり、多様な自然環境に恵まれています。
 このことから佐渡は、海・山・平野の幸に恵まれた島であり
バラエティに富んだ食材を楽しむことが出来ます。
 そこで「越後の蔵あさひ山」では、この夏、
豊かな自然に育まれた佐渡の食材をお客様に身近に
味わっていただこうとご提供致しております。

【南蛮えび】新潟や佐渡では南蛮えび、一般的には甘えびと
呼ばれていますが正式には「ホッコクアカエビ」と言います。
水深300〜500mの佐渡沖で獲られ、
甘みが強く他のえびとは違った食感があります。
甘くとろけるような身は刺身が定番!
佐渡では海洋深層水を使って「はねっ娘」という名前で
生きた南蛮えびの出荷もしているのだとか。

【するめいか】佐渡と言えば「いか」!
東シナ海で生まれた個体が春から夏にかけてエサを食べながら日本海を北上し、
秋から冬にかけては産卵のため、東シナ海に向けて南下します。
いか類ではもっともポピュラーな存在で刺身から加工食品まで幅広く利用されます。
いかの甘みとワタの旨みが凝縮された「丸干しいか」や「いか沖漬け」は有名です。
この他にも「サザエ刺し」、「銀鮭造り」、「もずく酢」などが味わえます。
※仕入れ状況によりご提供出来ない食材もございます。

2015年7月14日火曜日

【イベント報告】 家族みんなで楽しめる「酒楽の里2周年夏祭り」

酒楽の里は7月16日で2周年を迎えます。
酒楽の里では2周年を迎えるにあたりまして、
日頃の感謝をお世話になっている皆様に伝えようと、
11日12日の二日間、酒楽の里を会場に周年感謝イベントを開催いたしました。

皆さん来てくださるだろうかと、ドキドキしながら当日を迎えましたが、
オープンの10:00と同時に来場されるお客様を見てほっと一安心。


その後も地元長岡からのお客様を中心に大勢の方にご来場いただきました。
ご夫婦で来られた方、お子さんと来られた方、お友達同士で来られた方、
皆さんとてもにこにこと過ごされていたのが印象的でした。






今回のイベントは大人から子供まで
幅広い年代の方に楽しんでいただくことができました。
3年目を迎えて、今後も皆さんに喜ばれるイベントを
どんどん企画してゆこうと思います。
是非、これからも酒楽の里を宜しくお願い致します。


酒楽の里では越路の季節を楽しむイベントを
定期的に開催しております。
開催のご案内は、FacebookページやHP等でも
告知させて頂きます。

・Facebookページ
https://www.facebook.com/saranosato.asahiyama
・ホームページ
http://www.asahi-shouzi.co.jp/

2015年7月1日水曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 夏野菜 〉



豊栄の『やきなす』

新潟県北区豊栄の『やきなす』は、昭和30年代に
「えんぴつなす」の種を自家採取によって大きいものだけを残し、
その種で栽培したなすを焼いて食べたら美味しかった
という事から『やきなす』と命名され、
焼いたり、蒸して食べるのに最適です。
また、病気に弱く、強い風が吹くとやわらかい実に
傷がついてしまうので細心の注意が必要です。
現在は豊栄の木崎地区で栽培され、
地元で採った種をまいて栽培する門外不出の地場特産物です。
全国でもここでしか生産されていないため、
とても希少価値の高いなすで、
大きさは最大級になると約30センチ、重さは約300グラムにもなり、
新潟県内を中心に流通しています。


豊栄の『とまと』

豊栄は昭和48年に新潟県を代表する『とまと』産地として
国の指定産地となりました。
もちろん、生産量も県内第1位を誇っています。
その豊栄の『とまと』は、糖度と酸味のバランスが絶妙で
実がしっかりしたコクのある味です。
主力品種は味が良く人気が高い『桃太郎』です。


新潟の『枝豆』

新潟人と枝豆の関係は非常に濃厚です。
6月~10月に渡り40種類以上の枝豆が切れめなく続き、
いろいろな味わいを楽しむ事が出来ます。
弊社でも旬の枝豆をご用意いたしており、
東京飲食店では、今回ご紹介した新潟の夏野菜を取り揃えております。

2015年6月23日火曜日

【イベント報告】 国登録 有形文化財『松籟閣』で開催された「新緑 天の川懐石」

 

長岡市越路地域で今なお残る貴重な日本家屋に、
西洋のステンドグラスや天井に掛かる洋風照明など日本と西洋の文化が融合した
とても不思議で歴史を体感できる空間
家の外は、重厚な門構えと、綺麗に手入れされた日本庭園。
タイムスリップしたような空間で、初夏の緑と時より吹く涼しい風を感じながら、
旬の素材を使った懐石料理と朝日酒造のお酒とともに
「新緑 天の川懐石」が開催されました。



懐石料理は、先附、椀、向(お刺身)、焼き物、鍋物、強肴、揚物、食事、デザートと
旬の野菜や魚をふんだんに使ったメニュー。
そしてお酒は、今年で30周年を迎える『久保田』の「萬寿」、「千寿」などを中心に、
各お料理に合う銘柄を最適な温度でご提供し、
違いを実感してもらう呑み比べも行われました。










■ 今回の会に参加されたお客様から声をご紹介します ■

「同じお酒でも温度が違うだけでまるで別なお酒のよう。お肉には常温、お刺身には冷が合いますね」

「料理の器も趣があって、さらにお料理が美味しく感じました」

「尼鯛鱗揚げは、皮と身の食感のバランスが気持ちよく、絶品でした!」

「この時期のあんきもがこんなに美味しいとは・・・新発見です」

「料理長の実演料理も楽しませて頂きました」

「窓ガラスの波打ち具合が歴史を感じますね」

「こんなに静かなところで、こんなに落ち着いて食事ができるのは久しぶりです。至福の時間を過ごせました」

「次回の開催予定はありますか?ぜひ、また参加させて頂きたいです。」

  





今回ご好評頂きまして、次回秋の開催も企画したいと考えております。

開催のご案内は、FacebookページやHP等でも告知させて頂きます。

・Facebookページ
・ホームページ

2015年6月22日月曜日

【イベント報告】越路の夏の楽しみ方、蛍舞う里を散策「酒と料理と蛍の夕べ」



酒楽の里蛍庵でおいしいお料理と朝日酒造の銘酒を愉しんでいただいた後に、
越路の夏の風物詩、蛍を探しに出かけました。



イベント当日は夕方からあいにくの空模様。
蛍は現れないのではと心配しておりましたが、
蛍散策に出かけるころにはすっかり雨はあがってくれました。
お土産にと、お配りした小国和紙さんの手すき和紙ライトの
やさしい明かりを頼りに真っ暗な田圃道、蛍を探して進みます。



しばらく歩くと蛍がポツリポツリと現れはじめ、
ライトの明かりに誘われたのでしょうか、
いつのまにか私たちの周りにはたくさんの蛍の光が

予想以上のほたるの乱舞に参加者の方々も大喜び
時間を忘れて魅入られておりました。



酒楽の里では越路の季節を楽しむイベントを
定期的に開催しております。
開催のご案内は、FacebookページやHP等でも
告知させて頂きます。

・Facebookページ
・ホームページ

2015年5月27日水曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈そらまめ〉


 あまり知られていませんが、
新潟市西蒲区は、県内でも有数の「そらまめ」の産地で、
ほぼ全域で生産されています。
昭和50年中頃から作付けが開始され、
昭和60年頃から栽培が盛んになりました。

 「そらまめ」は秋に種をまき、定植します。寒さに弱いため、
栽培は雪の少ない地域に限られ、
さらに越冬を安定させるために
通気性のよい布のようなフィルムで株を保護します。
消雪後、フィルムが取り除かれた「そらまめ」はぐんぐん大きくなり、
4.5月の好気象と肥沃な土壌で風味豊かな「そらまめ」に育っていきます。
5月下旬から出荷が始まり、6月が出荷の最盛期です。
少し短いのが残念なのですが、
数少ない旬のはっきりしている野菜のひとつと言えます。 

 サヤを聞くと、白い産毛に大切に包まれた愛らしい姿をみせる
「そらまめ」は、北アフリカが原産地で、
蚕がつくる繭の形にも似ていることから「蚕豆」とも、
サヤが天を向くことから「空豆」とも呼ばれています。
(収穫する時はサヤが垂れ下がります。)

 栄養的にも優れており、炭水化物とタンパク質を含む他、
野菜特有のビタミンB1、B2、Cや豊富なミネラルを含んでいます。
そんな栄養価の高い西蒲区の「そらまめ」は
地元の学校給食にも登場します。
コロッケやポタージュに変身し、子供たちにも大変好評だそうです。

 越後の寒い冬を乗り越え、大きなサヤを実らせる「そらまめ」は、
生産者が丹精込めて〈初夏の味〉として届けてくれるのです。

2015年5月14日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 スルメイカ 〉


 世界中で捕れるイカの4割以上は日本人の胃袋におさまっているほど、
日本人はイカが大好きなんです。
国内で漁獲されるイカの半分以上が「スルメイカ」です。
イカの中のイカだから「真いか(まいか)」とも呼ばれます。

 その「スルメイカ」の寿命は約1年とされ、
東シナ海で生まれた個体が春から夏にかけて、
エサを食べながら日本海を北上して各地で漁獲され、
秋から冬には再び東シナ海での産卵に向けて南下をします。
5月から7月にかけて新潟沖、佐渡沖に、初夏に大きな群れが集まり、
近県から「スルメイカ」を狙う漁船の寄港が見られます。

 夜間に非常に明るい電灯をともし群れを集め、
エサに似せた釣り針がたくさんついた仕掛けを海中で
上下させ誘って釣る「いか釣り」で漁獲します。
海に浮かぶいか釣り漁船の明かりは「漁り火(いさりび)」とも呼ばれ、
古くはランプなど実際の火を使っていたそうです。
ちなみにいか釣漁船の漁り火は、人工衛星からの映像でみると、
日本海を、大都市が出現したかのように浮かび上がらせるそうです。

 胴(頭部)の長さは15~30センチで胴の中に細く硬いスジがあり、全体に赤褐色です。
少しこぶりですが、やわらかく、独特の甘みがあるのが特長です。 
いか漁が盛んな佐渡では、加工品の美味しさも格別です。

醤油だれにワタごと漬け込む「いか沖漬け」や、ワタごと天日干しする『丸干しいか』は、弊社飲食店・物販店で販売しています。(一部除く)

2015年3月31日火曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈 長岡の醤油おこわ 〉

 醤油おこわ?新潟県長岡市周辺の限られた地域で見かける独特の赤飯です。
かつては慶弔に欠かせない料理として、最近はより日常的な食として
長岡の人にとっては慣れ親しんだ郷土料理です。

 「醤油おこわ」、「醤油赤飯」などの呼び方がありますが、
一般的な塩味の赤飯とは異なり、名前のとおり醤油を使って
味つけされたおこわです。
一般的な赤飯に使われる豆は小豆やささげを使い、
煮汁を使って赤く色づけしますが、醤油おこわは、
金時豆を使うため、赤みをおびません。
味つけには醤油やみりん、だしを蒸しの途中にくわえて混ぜ合わせ、
さらに蒸すので醤油の色がつきます。

 ルーツは、はっきりとしておらず、
殿様から醤油や味噌を造る許可を得た元力士が、
店の前にあった寺に醤油を譲ったところ、
その寺が醤油で味付けした米を信徒に提供したのが始まりと
明治時代の文献に書かれているそうです。
由来はともあれ、醤油おこわは長岡の人々に定着し、
祝い事や法事など人の集まる時に作られる家庭の味となりました。

 長岡で広く食べられている醤油おこわですが、
調味料の配分など実は家庭ごとにレシピが違うのも特長のひとつで、
入園入学の多い春や祭り、はたまた帰省客が増える盆正月はよくお目にかかります。
また、スーパーの総菜コーナーでも日常的に販売されています。
一般的な赤飯とは色も味も異なりますが、
祝い事と結びついている点は変わりません。

地域を代表する食文化のひとつです。

2015年3月5日木曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈城之古菜(たてのこしな)〉

新潟県中越地方の雪深い十日町市には、風土に根付いた
伝統野菜「城之古菜」があります。
城之古は十日町市の信濃川沿いの地域で「たてのこし」と読みます。

 「城之古菜」は1911年前後に城之古地区で魚沼地方の
大崎菜の種を分けてもらい栽培を始めたことが起源といわれています。
この地域は日本屈指の豪雪地域で冬場に青ものの野菜がなかった時代に、
農家の収入源を模索して取り組み。
春一番に収穫される「城之古菜」は非常に珍重されたと伝えられています。

 現在でも十日町市では、ほうれん草や小松菜と並んで地域を代表する
葉物野菜として食卓に上がっています。
近年では、ハウス栽培により安定生産が可能となり、
12月下旬から4月下旬まで栽培されています。
県内のスーパーや生協、コンビニをはじめ、地産池消に取り組む
学校給食にも出荷しています。

 「城之古菜」は、100年以上前から栽培されている伝統野菜ですが、
甘みとほのかな苦みの絶妙なバランスで地元から愛され続けています。
現在は、城之古菜生産組合でハウス栽培されています。
特に3月から出荷される「城之古菜」は、つぼみがつくことで
香りが高く一層甘さが増します。
鮮やかな緑色で食卓を彩る貴重なビタミン源で、
おひたし、一夜漬け、サラダなどで美味しく食べられます。
また、地産池消、食育の一環として学校給食に「城之古菜」を使ったメニューが
取り入れられており、地域で大切に守り継がれています。

2015年2月2日月曜日

旬探訪 越後のごっつぉ 〈魚沼、冬の山菜〉


 豪雪地「魚沼」で冬の山菜を広げています。
魚沼地域は、年によっては積雪が3メートルにもなる豪雪地です。
魚沼コシヒカリやユリの切り花の産地としても有名ですが、冬期間の
農業所得確保が農業経営の重要な課題となっていました。

 このような状況を打開するために冬の山菜に注目し、ユリの切り花ハウスを
活用して山菜の栽培を行い、出荷する体制を整えています。
 普及指導センターは、JAと連携して、産地として拡大していくために
産地の栽培技術支援や稲作経営体への園芸導入推進といった
活動を行ってきました。

 これらの活動の結果、最近では、地域の農業法人や若手の稲作経営者が
山菜に関心を示し、導入に向けて動き出しています。また今まで山菜の栽培は
堀之内地区が中心でしたが、小出地区、湯之谷地区、広神地区にも
栽培者が広がり、産地は着実に拡大しています。

 さて、そんな魚沼の冬の山菜ですが、越州東京姉妹店で楽しむことが
出来ますのでご紹介します!


・・・ たらの芽 ・・・


たらの木の最初の新芽のことで茎の先端にふっくらとした芽が出ます。
特有の香味と軽い苦み、ぽってりとした油っこさがあります。


・・・ ふきのとう ・・・


国内最古の野菜とも称される日本原産の山菜で、独特な芳香と苦味が特長です。
天ぷらやふき味噌が食卓に並ぶことが多く、これを食べると
「もうすぐ春ですねっ!」といった感じがします。

 はしりの味わいを 新潟の酒処 越州 でお楽しみください。